どうじんかつどうもうやめるって言ったけど妄想は止まってくれないのである^^;
あにさま話そのさん。一人称は俺っていってほすい!!
拍手ぱちぱちありがとうございました!!!!!!!
本文と続きを下におりたたみますた。
強気なあにさまもいいけどこんなあにさまもイイなとひとりでもすもす・・・
はじめて家に上がりこんだ晩はいろいろあって部屋をよく見る暇がなかった。改めて見渡すと小洒落たインテリアの中に混じって片隅にピアノがおいてある。一目で使われていないとわかった。
立派なピアノだ。しかも相当価値のあるものだ。
しかしあの男はピアニストじゃない。手を見ればわかる。
けだるそうにベッドに横たわり自分の歪んでしまった右手を見つめる。
(・・・確か大きなコンクールの前日の練習中だったか。)
不意に扉が開く音がして、あの男が帰ってきた事を知らせる。
灌漑にふけりかけた心を沈め、男に娼婦のような笑みを向けた。
「今日は遅くなるんじゃなかったのか」
「予定より早く仕事が片付いたんだ」
それに。
あんたが待ってるからな、そう言いながらネクタイを緩める。
男は待ちきれないといわんばかりに痩躯をかき抱いた。
香水が鼻をつく。高級そうな、悪趣味な香りに顔をしかめる。
男は構うことなくやや乱暴に体をベッドに沈めた。
男の手が、我が物顔で体の上を行き来するのを醒めた頭で傍観する。
どうでもいい。
ここに居座るための代償だ。しかしこんな体がいいとは。この男も大概酔狂な奴だ。
(好きにさせてる俺も大概か)
息が上がり、生理的な涙がにじむ。
眼の端に先ほどのピアノが入った。
…自分にとってピアノは何よりも神聖なものだった。
女のような声をあげながら揺さぶられている今の自分には到底手が届かないものだ。
視界の端のピアノが歪む。
「泣いてるのか?アンタ結構可愛いとこあるんだな」
男が揶揄する。
しかしこの男の、詮索しない所は気に入っていた。
「…そりゃどーも」
(この男ならきっと何もかも忘れさせてくれる。)
この男なら。