今日の私はきのうよりもっと駄目な奴だった(爆)
でもちょっとだけ初期さんが進んだので良かったのかもしれない;;;;
まさかの初期さん、ちゃんとお盆時に有言実行できましたよ☆☆☆
笑 ^^;;;
ゆらゆらゆらゆら
穏やかに揺れる海面を漂っているような気分だ。
心地よくてそのまま意識を預けてしまいたくなる。
うすぼんやりとした光に包まれ、もうこのまま溶けてしまうのかと思った。
漂う意識の中、誰かの声が聞こえる。
本当にお前はこのままでいいのか?と。
(誰だ・・・・)
”竜崎と話もしないまま消えてしまってもいいのか”
(余計な世話だ。私の力が無くとも竜崎はちゃんと立派になった。)
”竜崎はあの日から膝を抱えて前に進めずにいる”
(あいつはそんなに弱くはないさ・・・)
瞼の裏にただ一人の弟の姿がよみがえる。
『お前如きに、私の代わりなどできるものか。』
そう告げた、彼の悲痛な表情は今でも忘れられない。
『私は認めない』
(あのまま私を追いかけてピアニストになっていたら、きっと潰れていた。)
―だから、あれでよかったんだ。
いつしか”声”は聞こえなくなっていた。
徐々に闇が深まる。
体が重く、重く沈んでいく。
(私、は)
「… … おい」
「おいアンタ大丈夫か!?」
瞼を開けると、いつもの胡散臭そうな金髪が見えた。
「騒がしいな」
意識がだんだんはっきりしてきた。
が、意識を失う前の記憶がすっぽり抜け落ちている。
ベッドサイドには、やや慌てた様子の男が顔を覗き込んでいた。
「一体どうしたというんだ?」
「それはコッチのセリフだ…」
脱力したような情けない声が聞こえる。
「アンタ、突然倒れたんだぜ?」
「…そうか。驚かせたな。」
ベッドサイドの棚に目をやると、薬の空瓶が置いてあった。
そこですべてを悟った。
「…私が気を失ってから、老人が来たはずだ」
「ああ。来たぜ」
「全部聞いたんだろ?」
「…ああ」
金髪の男―アイバーはたまらず俯いた。
「私は死など怖くない」
それは本心から出た言葉だった。
男は何かに耐えるように眉を寄せ、力なく落ちている歪な指先を両手でぎゅっと握った。
「…」
(この男は…)
馬鹿な奴だ、と思う。
こんな得体のしれない人物を拾ってくるばかりか、好意を寄せるなど。
(救いようのない馬鹿だ)
「…なあ、一緒に、寝ないか?」
男はしばらくきょとんとして動かなかった。
「俺たちは今までそうやってきただろ」
「…」
じっと男を見つめると、困ったように眉を下げ笑った。
「添い寝で満足するのか?」
「さあな」
ベッドが僅かな軋みをあげて、男を迎える。
「最後までアンタに付き合ってやるよ…」